京都の公立高校を目指すみんなのための「志望校の決め方講座」

こんにちは!京都で個人塾をやってます塾長ぱせり(@JukuchoPaseri)です!

京都府の公立高校を目指している皆さん、もしくは自分がどの高校を受けるか迷っているという皆さんは「判断材料」が足りていないのではないでしょうか?

フワッとした知識しかないので「なんとなく公立の普通科」を目指している人が多いんじゃないかと思います。

ここでは志望校を決めるための判断材料を5つの項目に分けて紹介しています。

中3の進路選択というのは絶対に将来につながるものです。

この時期にどれだけ悩むかであなたの高校生活が確実に変わってきます。

さあ、思いっきり悩もう!

まずは公立高校の種類を知ろう!

全日制「普通科」定時制「農業科」(単位制)など、公立高校にはいくつか種類があります。

自分が志望する高校や学科はどの区分なのか、どんな種類の高校に行きたいのか考えながら読んでくださいね。

全日制、定時制、通信制

ここでは学校での授業のスタイルについて解説していきます。自分に合ったスタイルを見つけていきましょう!

全日制

基本的に朝に登校し夕方に授業が終わるスタイルです。ほとんどの学校がこの「全日制」にあたります。

全日制について詳しくは

2020年春受験用!京都府公立高校の入試制度を解説(全日制編)

定時制

1日のうち、決まった時間帯に授業を受けるスタイルです。

昼間部(午前のみ)、昼夜部(午後のみ)、夜間部(夜のみ)など学校によって時間帯が選べるところもあります。

また、3年制だけではなく4年制の学校もあるのが特徴です。

定時制について詳しくは

2020年春受験用!京都府公立高校の入試制度を解説(定時制編)

通信制

通信制は、自宅での学習がメインのスタイルです。

学校から送られてくるレポート課題、単位認定テスト、直接学校へ足を運ぶスクーリングを通して高校卒業を目指します。

京都府の公立高校では、朱雀と西舞鶴が通信制を設置しています。

通信制について詳しくは

2020年春受験用!京都府公立高校の入試制度を解説(通信制編)

普通科、専門学科、総合学科

学科についてです。学校で学ぶ内容を大きく3つに分けています。

普通科

普通科はその名の通り、国、英、数、理、社の主要5教科と保健体育、情報、芸術、家庭、総合などの副教科をバランスよく学んでいく学科です。

ほとんどの高校にこの普通科が設置してあります。

最近では大学のように自分が興味のある授業を選択できる普通科総合選択制(大江、京都八幡)や普通科単位制(洛北、日吉ヶ丘など)を設置している学校も増えてきています。

また、普通科として分類されますが自分の得意な部分を伸ばすコースとして普通科スポーツ総合専攻(洛北、鳥羽、西城陽、久御山、綾部)、普通科美術・工芸専攻(亀岡)もあります。

専門学科

普通科はバランスを重視していましたが、専門学科はアンバランスです!

自分が興味のある科目を重点的に、専門的に学んでいく学科です。

農業、工業、商業、水産、家庭、情報、福祉、体育、音楽、美術、科学、国際など多くの専門学科があります。

また、専門学科に分類されていますが実際は難関大学進学を目指すいわゆる特進コースのような専門学科もあります。(山城文理総合科、西京エンタープライジング科、堀川探求学科など多数)

総合学科

総合学科は普通科総合選択制とほぼ同じだと思ってください。京都では南丹、久美浜が総合学科を設置しています。

どこでも行けるわけじゃない?京都の通学圏を調べよう!

京都府は南北に長く伸びている地形のため、どの高校にも通えるわけではありませんよね?(京都市に住んでいる人が舞鶴の高校に通うのは難しいということです。)

そのため、京都市では通学圏を設定しています。

そのため基本的に自分の家と高校が同じ通学圏にないと受験ができないということになります。

ただし、この通学圏というルールが適用されるのは「普通科」を受験する場合のみです!ここ要チェックね。

「専門学科」は基本的にどの通学圏からも通うことが可能です!

また、前期試験と中期試験では受けられる高校が違います!この点についても説明していくので安心してください!

公立高校入試の概要についてはこちら

普通科を受験する場合

普通科を受験する場合、基本的に下記の通学圏内の高校しか受験できません。

ただし前期試験と中期試験で若干受験可能な高校が変わりますので注意してください!

・丹後…峰山、宮津天橋、丹後緑風

・中丹…福知山、綾部、東舞鶴、西舞鶴

・口丹…北桑田、亀岡、園部、須知

・京都市・乙訓…山城、鴨沂、洛北、北稜、朱雀、嵯峨野、北嵯峨、桂、洛西、洛東、鳥羽、桃山、東陵、洛水、向陽、乙訓、西乙訓、堀川、紫野、日吉ヶ丘、塔南

・山城…東宇治、莵道、城陽、西城陽、京都八幡、久御山、田辺、木津、南陽

・すべての通学圏から受験可…城南菱創、洛北、洛北(スポ総)、鳥羽(スポ総)、西城陽(スポ総)、久御山(スポ総)、綾部(スポ総)、亀岡(美工)

注意

前期試験では丹後、中丹、口丹の区別がなくなり、その3つの学区内ならどこでも受験可能です。(丹後通学圏にある高校を受験する場合、中丹・口丹通学圏に住所がある生徒の合格は全体の2割まで)

前期試験では京都市・乙訓通学圏の生徒でも東宇治高校を受験できます。(合格者はそのうち28名まで)

前期試験では京都市・乙訓通学圏の生徒でも北桑田高校を受験できます。(合格者はそのうち12名まで)

専門学科を受験する場合

専門学科を受験する場合、普通科と違いすべての通学圏からの受験が可能になります。ただし例外も多少ありますのでよく読んでください!

例外

桂(園芸ビジネス、植物クリエイト)…口丹、京都・乙訓のみ

木津(システム園芸、情報企画)…山城のみ

綾部(農業)…中丹、口丹のみ

綾部(園芸)…丹後、中丹、口丹のみ

宮津(建築)…丹後、中丹のみ

大江(ビジネス企画)…丹後、中丹、口丹のみ

網野(企画経営)…丹後のみ

紫野(アカデミア)…口丹、京都・乙訓、山城のみ

総合学科を受験する場合

総合学科を設置しているのは下記の2校です。総合学科志望の人は要チェックです!

南丹(総合学科)…すべての通学圏から受験可

大江(地域創生)…すべての通学圏から受験可

自分の学力にあった高校を!偏差値について考えよう!

「偏差値」って受験を意識し始めて初めて耳にする言葉なんじゃないかと思います。

主に模擬テストなどで使われている言葉ですよね。

「○○高校は偏差値が高い。」とか「△△ちゃん偏差値60らしいよ」とか聞いたことありませんか?。

偏差値についてしっかり理解することは、志望校を決める際のとっても大事な判断材料になります。

偏差値とは?

偏差値はある集団の中での自分の位置を示す数値のことです。

ん?よくわかりませんか?

例えば、A君が英語のテストと数学のテストを受けたとします。

英語が70点、数学が50点でした。

これってどっちのテストの方が成績が良かったんでしょう?

答えは「わかりません!」

へ?って思った人も多いと思いますがよく聞いてくださいね。

点数が高いのはどちら?と聞かれれば英語ですが、この2つのテストの難易度、つまり平均点が分からないので答えが出せないわけです。

英語のテストの平均点が80点、数学のテストの平均点が30点だとしたら数学の方がいい成績だといえますよね?

つまりテストの難しさも考慮して数値化しているのが偏差値というわけです。

そのテストで平均点をとった人の偏差値を50として平均点より得点が上なら偏差値は51、52…となり、得点が平均点以下ならば49、48…となります。

偏差値はテストを受けた集団の中での自分の客観的な学力位置がわかるものです。

なので「あたしの偏差値60やねん」ではなくて「第3回の〇〇模試で5教科の偏差値60やった」です。

偏差値を受験勉強に生かすには

偏差値については大体理解できたかなと思います。

ではこの偏差値を受験勉強に生かすにはどうすればいいのでしょうか?

大切なのは、「一つの模試を受け続ける」ということです。

前項でお話ししたように偏差値とは「あるテストでの自分の学力の位置」なので、いろんな模試を片っ端から受けていたのでは自分の学力や他の受験生との差がいまいちつかめません。

模試によって難易度が違いますからね。なので模試は同じ種類のものを受け続けましょう。

同じ模試なら難易度の上下が少なく、自分の学力の上がり下がりがはっきりとわかります。

その偏差値の上がり下がりを見ながら、次の模試に向けて対策を立てていけば、おのずと全体的な学力も上がっていくはずです。

テストの点数で一喜一憂するのではなく、勉強の成果は偏差値の変化を見るんですよ!!

人気校はどこ?京都公立高校の倍率をみてみよう!

倍率とは?

偏差値の次は「倍率」です。これもよく聞きますよねぇ。とりあえず見てみましょうか。

昨年度(平成31年2月実施)の公立前期選抜の山城高校の倍率です。

学校名学科等名募集定員選抜方式募集割合募集定員志願者数倍率
山城普通科320A方式Ⅰ型15%482855.65
A方式Ⅱ型15%48611.25
文理科40A方式100%401262.85

名称の説明をしますと、

「募集定員」

…その年に山城高校の普通科が入学させたい人数が320人、文理科が40人であるということです。

「選抜方式・型」

…普通科の前期選抜は「A方式Ⅰ型」「A方式Ⅱ型」2種類、文理科は「A方式」1種類の選抜方法で行います。

「前期選抜募集割合」「前期選抜募集定員」

…普通科の募集定員320人のうち15%である48人を前期選抜A方式Ⅰ型で、もう48人をA方式Ⅱ型で合格させますよ。つまり前期選抜では全体の30%を、中期・後期で残りの70%を決めますよ。ということです。文理科は100%なので前期選抜ですべての合格者が出ますよ、つまり中期・後期では募集しませんよ。となります。

「志願者数」

…その年に願書(受験の申込書)を提出した人の人数です。285人が普通科A方式Ⅰ型で受験するということです。受験実施前のデータになるので、この数字よりは若干人数が減ります。(体調不良などで受験できなかった人などがいるから)受験が終わったあとに受験者の数が出ますが、受験生の皆さんはもちろん受験前に倍率を知りたいと思うので「受験者数」ではなく「志願者数」のデータの見方を知ってもらおうと思います。

「倍率」

…倍率、もしくは競争率とも言います。募集定員に対しての志願者数の割合を示しています。倍率は高ければ高いほど競争率が高く、狭き門だということになります。山城高校の前期選抜普通科A方式Ⅰ型の倍率は5.65。5~6人に一人しか合格者が出ないということですから非常に高い数字になります。

逆に倍率が1を切る学科もあります。例えば昨年度中期選抜、北稜高校の普通科は募集196人に対し志願者が167人だったため倍率は0.85となりました。この倍率が1を切っている状態がいわゆる定員割れです。定員割れになると受験した全員が合格できるということになります。(実際は1割の生徒が不合格になることもあるが、説明が細かくなるので省略)

昨年度の京都府公立高校倍率

昨年度の倍率です。これを参考に今年の大体の倍率が予想できますね?

平成31年度前期選抜試験

平成31年度中期選抜試験

平成31年度後期選抜試験

もちろんですが、倍率は変化します。

近年大幅に倍率が上がっているのが鴨沂高校です。一昔前は不人気校でしたが、学校改革に着手した結果、昨年は問題行動の数は0に(京都府で2校のみ)。また、来年の夏ごろに新校舎にお引越しすることもあり、人気がどんどん上がっています。

前年度の倍率が高かった高校は次年度少し下がるという傾向がありますが、鴨沂はまた上がりそうですね。

実際の空気感を味わえ!オープンスクール&学校説明会

正直、判断材料が文字だけなのは無理がありますよね?一番いい材料は実際に足を運んでその高校の雰囲気を感じることです。

「その学校はどんな場所にあるのか?」「どんな生徒が通っているのか?」「どんな先生が教えているのか?」「部活は?」「行事は?」

文字では見えてこないものを見るには足を運ぶべきなんです。普段の雰囲気を知るには平日の昼間に行くのが一番ですが、中学生も授業中ですよね(笑)。そこで活用すべきはオープンスクールと学校説明会なんです!

オープンスクール(オープンキャンパス)と学校説明会の違い

オープンスクール(オープンキャンパス)

オープンスクールは主に受験生本人を対象にしたものです。「授業体験」、「部活動体験」、「食堂でのランチミーティング」など、各校が趣向を凝らした様々な企画を催しています。受験生と在校生とのコミュニケーションの場でもあるので、入学後の学校生活のビジョンが見えると思います。オープンキャンパスでは学校ごとの雰囲気をしっかり感じ取ってください。周りの評判ではなく自分の直感で感じ取ることが大切です!

学校説明会

学校説明会は主に保護者が対象です。「教育方針」や「学習課程」、「教育目標」、「3年間でかかる学費」などを学校の先生が説明します。この説明会はその学校の芯となるの部分が見えるものです。その芯を包み隠さず、熱量をもって話してくれる学校は著者の経験上「いい学校」といえます。保護者が対象と言いましたが、オープンスクールで気になった学校があれば受験生もぜひ行ってみてください。受験するのは保護者ではなくあなたです!しっかり学校の中身も理解しましょう!ちょっと眠いけどね(笑)

2019年 オープンスクール&学校説明会の日程

京都府公立高校では各校、オープンスクールを年1~3回、学校説明会を年3~5回ほど開催しています。行きたい高校のHPを見るのが一番確実ですが、ここにまとめましたのでチェックしてください。

5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月

最後に

ここまでお読みいただいた皆さんは「判断材料」を手にしました。

「知っている」と「知らない」の間には大きな差があります。

でもね、ここに書いたことはただの判断材料なんです。

最終的にその材料を使って判断するのは受験生の皆さんでなくてはいけません。

いいですか?保護者や友達じゃなくあなたです。

周りの意見ではなく、自分の意志で自分の環境を決めてください。

人生は選択の連続です。

どの高校を受験するかを決めるというのは、受験生の皆さんにとって本当に大きな、大切な機会だと思います。

この機会を今後の人生に役立てるためにも「判断材料の集め方」、「判断材料の使い方」をしっかり悩んで、学んでほしいと思います。

 

当ブログでは高校紹介のほかにも高校受験のための勉強法や、教育サービス、参考書などを紹介しています。お時間がありましたらグルグル見ていってください!おねがいします!

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2 Comments

野村和生

興味深く読ませていただきました。
息子は偏差値が58くらいです。理科に置いては67あるときもあります。
志望は京都工学院フロンティア理数。
本人の偏差値よりも低い高校に入学することについてどう思われますか?

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塾長ぱせり

コメントありがとうございます
偏差値が高いことはお子さんの選択肢が幅広さに繋がるので、素晴らしいことだと思います。その選択肢の中からお子さんが自分で考えて、行きたいと思った高校が工学院なのでしたら、受験を後押ししてあげていいと思います!理科好きにはもってこいです!

逆に高偏差値の高校のメリットは高校卒業後の進路の選択肢が広がることです。ただ、その後の進路は入学後の本人の頑張り次第なので、自分が学びたいと思う高校で過ごせるのなら偏差値は気にしなくてもいいのかなというのが僕の考えです。

またおうちでお話ししてみてください^ ^

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