京都府立清明高等学校を受験するあなたへ。学校の特徴と入試制度を解説!

2015年に新設となった話題校「京都府立清明高等学校」を受験しようと思っている、または気になっている皆さん。

新しくできた高校ですので知らないことだらけだと思います。

「どんな学校なの?」「入試の制度は?」

そんな疑問を持ったみなさんのためにどんな学校なのかを詳しく丁寧に解説していきたいと思います。

清明高校は「昼間二部制定時制・単位制」という新しいタイプの学校です。

さあ、いきなり漢字だらけの見出しを見て、読むのをあきらめそうになっていませんか?

安心してください。詳しくていねいに解説していきますからね。

この「昼間二部制定時制」「単位制」というのは学校のタイプだと思ってください。

この2つのタイプが組み合わさった学校は日本でも珍しいのです。

ですので清明高校最大の特徴である「昼間二部制定時制」「単位制普通科」についてまずは知ってください。

昼間二部制定時制とは?

定時制と聞けば夜の学校というイメージがある人が多いと思います。

一昔前は昼間に別の仕事などをしていて、学校に通えない人が夜に授業を受けられるというのが夜間定時制です。

では昼間定時制とは何か。

名前の通り、昼の間の決まった時間に授業を受けるスタイルということです。

全日制(公立高校で主に採用されているスタイル)とどう違うのと思われる方もいるでしょう。

そこで清明高校の1日のスケジュールを見てみましょう。

このように午前コースと午後コースのどちらかを選択し★印の時間に授業を受けます。

必修(必ず受けなければいけない授業)は4時限分とホームルームだけです。

午前コースは1~4限、午後コースは3~6限の授業が必修です。

つまり1日4時限分の授業を受けて、4年間で卒業を目指すスタイルとなります。

さらに〇や△の時間に授業を受けたい人は受けることができます。

「えっ?同じ学年なのに授業を受ける人と受けない人がいるんですか?」

そうです。それこそが単位制の特徴なんです。単位制については②で説明します。

単位制とは?

単位制って聞いたことありますか?

単位制とは決められた単位を修得すれば卒業が認められる制度です。

数学A(2単位)となっていれば数学Aの授業は週2回あり、1年間継続して受講し、レポートやテストなどで合格すれば2単位が取得できます。

多くの高校は単位制ではなく学年制です。学年制は1年生~3年生まで1年ごとに進級判定があり、 しっかり授業に出席して定期テストでも点が取れていると進級できます。

進級できなかった場合は留年といってもう一度その学年をやり直さなければなりません。

一方、単位制は学年に関係なく合計○○単位をとることができれば卒業ですよーということです。大学がそうですね。

だから先ほどの表の〇印や△印の時間は、早く単位を取って卒業したい人が選択するということです。

清明高校では卒業に必要な単位が74単位です。

1年で25単位(月~金まで1日5時間授業)とれば3年で卒業できます。

また、修業年限は最長8年です。8年かけてゆっくり単位をとってもいいですよってことですね。

めっちゃ楽やんって思いませんか?だって普通の高校は1日6時間とか7時間授業がありますもんね。

ということはですよ、授業以外のことにより多くの時間を割けるということになりますよね?

自分の好きなこと、興味のあることに割ける時間が他の高校生よりも多い

ほかの高校よりも自由度が高い。

これこそが最大の特徴だと考えています。

その時間を自分の将来のキャリアに生かすというのが難しいところですが...。

京都府立清明高等学校は普通科で学べることを自分のペースで学び、自分のやりたいことに時間を費やせる学校です。

清明高校ってどんな子が受験するの?その他の特徴は?

どんな子が受験するの?

京都府立清明高等学校は基本的に誰でも受験できます。

ただ、定時制ということもあり、学力的にはあまり高くない生徒、中学時代、朝起きれずに遅刻が多かった生徒など、多くの課題を持った生徒が集まる学校という印象です。不登校気味だった子は中3年時の進路相談で薦められることもあるようです

1日4時間という授業時間で学力的に負担にならないようなカリキュラムになっていますし、午前コースと午後コースに分かれているので時間的な縛りから来る負担も減ると思います。

普通科全日制では満たせない生徒たちのニーズに答えているのが昼間定時制であり、清明高校だと思います。

アンダンテ学習

自らの課題に応じた学習活動を通じ、それぞれに応じた学力の定着を図り、自ら学び考える姿勢を培うことを目的とした授業です。ICT機器やプリント等を活用し、自らの課題や進路に応じた自学自習を行います。自己の課題達成に向けて、学習記録用紙を使った計画的な学習をしたり、学生ボランティアから学び方の支援を受けたりして学習を進めています。(清明高校HPより引用)

このアンダンテ学習というのは「学びアンダンテ」という清明高校の基本コンセプトから来ています。

アンダンテというのは音楽用語で「歩くような速さで」という意味だそうです。つまり無理はせずに自分のペースで着実に学力をつけましょうということですね。

学力に不安や焦りがある生徒もたくさんいるとは思いますが、そんな生徒たちにとってこの基本コンセプトは救いです

1をいきなり10にすることはとても大変です。

だからまずは1を2にすることから始めようというこのコンセプトは、清明高校の校風を見事に表したものだと思います。

学び直し科目

国語・数学・英語の3教科については、これまでの学習の学び直しが可能な授業として、「アンダンテ国語」「アンダンテ数学」「アンダンテ英語」を開設しています。

苦手科目の克服と基礎学力の定着を図ることができます。

一度の授業で理解できないまま次の授業を受けるのは辛いですよね?

だから授業の内容をもう一度復習するというのは小学生でも高校生でも変わらずとても重要です

ただそれは家に帰って一人でやったり、お金を払って塾などでやるものだったはず。

それを公立高校の中で、しかも授業をもう一度受けられるというのはとってもコスパがいいと思います。

社会的自立支援プログラム「みらい」

清明高校では、「総合的な学習の時間」「学校設定科目(フレックスワーク等)」「LHR」の時間を活用して、社会的自立支援プログラム「みらい」を実施しています。

社会的自立支援プログラム「みらい」は、本校に入学する様々な課題をもつ生徒を想定し、その生徒に自己有用感と、様々な教育活動に主体的に取り組む姿勢を育成することで、卒業後の社会的自立に向け、コミュニケーション能力やライフスキルの向上を目指します。(清明高校HPより引用)

総合の授業の拡大版といっていいと思います。やはり高校で学ぶべきものは英語や数学だけではなく、社会で活躍するためのものであると思っています。この「みらい」もその名の通り生徒たちの未来をより充実したものにするための取り組みのようです。

例えば…リアル人生ゲーム、演劇表現、命の授業、キャリアプランの授業などおもしろそうなものが多々ありました。

制服

(清明高校HPより引用)

濃紺のブレザーとブルー、ワインレッドのネクタイ、リボン

部活

運動部が7クラブ、文化部が10クラブあり、定時制・通信制大会において、サッカー部、女子バスケットボール部、陸上部、卓球部、ソフトテニス部が全国大会出場決定!!(2020年6月現在)

とっても特殊な清明高校の入試制度について理解しよう!

清明高校特別選抜試験の概要

清明高校の入試は公立高校前期選抜の日程に合わせて「京都府立清明高等学校特別入学者選抜」として実施されます。ほかの高校の入試とは違い、1回限りの試験で入学者が決まります。配点や方式も独自のものになってますので気を付けてください!

選抜方式

学力検査や報告書があるA方式と、それがないB方式の2種類がありますが、B方式の募集人数の方が多いことが特徴です。

A方式は学力検査や中学時代の3年間の成績も加味されるので、比較的学力に自信のある人が受験します。

B方式は面接と作文です。つまりB方式の方は生徒の学力や中学時代の学校生活のことは試験とはほとんど関係ないということになります。

作文や面接でしっかりと自分の良さや高校で頑張りたいことをアピールできれば合格できるでしょう。しっかりトレーニングはしておきましょう!

参考 平成31年度 京都府立清明高等学校特別入学者選抜実施要項 A方式京都府教育委員会 参考 平成31年度 京都府立清明高等学校特別入学者選抜実施要項 B方式京都府教育委員会

倍率

令和2年度倍率はA方式が1.00倍(40人が受験して40人が合格)、B方式は1.21倍(97人が受験して80人が合格)でした。

年度によって倍率は大幅に変動します。(一昨年度はA方式のほうが高倍率でした)

しっかりと受験に向けて準備をしないと合格は難しいと思ってください。

2020年度入試説明会

清明高校は特殊な学校ということもあり、受験を考えている人は学校説明会や入試説明会へ参加しよう!

コロナの影響で説明会の数自体が減少しています。また変更もありそうです。HP等で日程をしっかり確認してから参加しましょう

①9月26日 オープンキャンパス

②11月7日 オープンキャンパス

③12月12日 オープンキャンパス

最後に伝えたいこと

清明高校についてここまで説明してきましたが、いかがだったでしょうか?

全国的にも珍しい昼間二部制の定時制高校ですのでイメージが湧きにくかったのではと思います。

ただ、現代社会はすさまじいスピードで変化が続いており、親や子どもの学校に対するニーズもそれにともない多様化しています。

普通科全日制が当たり前の時代は終わりに向かっています。

この清明高校のように高等学校のスタイルもどんどん多様化していくでしょう。

私立高校だけではなく公立高校もです。

今までは「家の近所にある普通科の学校で学力的に行けそうなところ」を選んでいたものが、生徒一人ひとりの特徴やニーズにあった高校を選べる時代が来ます。

そうなると選択肢が何倍にも増えるわけですよね。

そういう時代に大事な力は「自分で決められる力」です。

「親がそうしろって言うから。するなって言うから」「みんながやってるから。やってないから。」

1回きりの自分の人生です。するのなら自分の選択で後悔してください

人が言ったことをそのままやると言い訳を作れるんですよ。だから楽なんです。

じゃあ自分の選択は?失敗も成功も自分のせいです。自分の責任です。

それは時に苦しい時もあります。

でもね、自分の選択が失敗だったなと思えば、選択のやり方を変えればいい。

選択肢を増やす努力をすればいい。

他人の言う通り生きれば楽でしょう。でも全然楽しくないですよ。

漢字は同じ「楽」なのに。

他人が決めたことと自分が決めたこと。

それを実行するときの熱量はバカでかい差があるんです。

自分で決めて、決めたことを精いっぱいやりきる力をぜひつけていってください。めちゃめちゃ楽しいから!

参考 TOP清明高校HP

当ブログでは高校紹介のほかにも高校受験のための勉強法や、教育サービス、参考書などを紹介しています。お時間がありましたらグルグル見ていってください!おねがいします!

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