「京都市立銅駝美術工芸高等学校」の特徴と入試制度をくわしく解説

こんにちは!塾長ぱせり(@JukuchoPaseri)です!

受験生の皆さん!ぼちぼち志望校固まってきましたかー?

創立140年!日本で最初の画学校「京都市立銅駝美術工芸高等学校」

そんな銅駝に入学を希望している、または受験しようか迷っているみなさんのために書きました。

「どんな学校なの?」「入試の制度は?」

そんな疑問を持ったみなさんのためにどんな学校なのかを詳しく丁寧に解説していきたいと思います。

銅駝美術工芸高校は日本最初の画学校です

京都市立銅駝美術工芸高等学校(以下:銅駝美工)は日本で最初の画学校で、創立は明治時代にさかのぼります。日本を代表し世界で活躍するアーティストを多く輩出しています(草間彌生さん、堂本印象さん、つじあやのさんなど)

美術工芸科のみの学校なので、美術・工芸に特化した行事や授業が特徴的です。

では、ほかの公立高校とはどこがどう違うのか1つずつ見ていきましょう!

銅駝美工の特徴をかんたんに

銅駝美工の概要をかんたんにまとめました!

全校生徒数

生徒数は全校で273名(令和2年4月)ほとんどが女子です。

環境

校舎はそこまで広くありませんが、デッサン室・各専攻ごとの実習室・ギャラリー・マルチホール・作品収蔵庫など大学に匹敵する制作施設がそろっています。

校舎自体は古い小学校をそのまま使用しており、木造です。よく言えば雰囲気があって落ち着くところです

詳しい写真などはコチラ ➡銅駝美術工芸高等学校HP

また、令和4年度に京都駅東側地区への移転が予定されています

教員

専攻ごとに専門の教員がおり、それぞれがプロフェッショナルです。厳しい中にも優しさあふれる指導で生徒たちの能力の向上を目指しています

部活

実習などの関係で部活はあまり活発ではないようです

同好会としての活動が主で、大会参加などはありません

学校行事

体育祭文化祭のほかに、秋の美工作品展や3年生の後期作品展などもあります

文化祭はクラスごとの演劇大会でハイレベルです!

修学旅行

1年生の美術見学旅行があります

昨年度は倉敷、瀬戸内、丸亀、高松の美術館などを訪れました

また、学校から選ばれた代表生徒はヨーロッパへの研修旅行に行きます

フィレンツェやパリなど芸術の都で本場の芸術を体感できます!

授業が違う!

美術工芸科のみですので、当然ほかの公立高校と授業内容が違います。

3年間で取得する単位を見てみましょう

平成29年度教育課程表

表現基礎、造形表現、表現演習、実習などが専門科目です。64単位あります!

圧倒的に美術に打ち込める内容になっています!

美術やものづくりが好きな人にはたまらんですね!!授業内でレッスンがあるので芸術の道を目指す人にとっては最高の学校だと思います。

単位取得は定期テスト(年4回)と実技試験(年2回ほど)の結果で判断します。実技関連の授業の結果が良くても、普通科目が悪ければ進級できません!気を付けて!

専攻について

美術工芸科の中には8つの分野があります

  • 1年生の6月までは8分野すべてを、6月からは3分野を選択、10月からさらに2分野に絞って学習します。
  • 2年生になると1分野になり、自分の専攻が決定します。
  • 3年生になると、国公立大学などを目指す(センター試験を受ける)アートパイオニアコースと、私立大学を目指すアートフロンティアコースを選択し、受験体制に入っていきます

まずは自分が目指したいコースがあるのかをチェックしましょう

日本画

・・・自然をお手本にしっかりと絵画の基本を学ぶ、将来的にあらゆる可能性を秘めた分野です。自然をよく見て写生し、その写生をもとに自分の考えや感性を盛り込んで制作するコースです

洋画

・・・油絵を主に、デッサンやエッチング,パステル画などを学びます。「見る」ことを大切に、自然から形や色彩・質感の美しさなどを感じ取れる感性や、それらを率直に表現できる力を育てていくコースです

彫刻

・・・自然観察から得た造形美に対する思いを、作品制作をとおして表現していく力を養っていくことを目指すコースです。粘土を肉付けして形づくる塑造を中心にして、木や石を削って形づくる彫造、石や金属の構成など様々な表現方法で人体や抽象形の作品を制作しています。

漆芸

・・・日本を代表する美のひとつである漆芸をもとに、感性や技術を磨き生徒ひとりひとりの美術という世界を表現する事を目指すコースです。

陶芸

・・・「土もみ」や「ろくろ」といった基礎的な技術の学習から、従来の陶芸の枠にとらわれない、さまざまな技法を使った自由な表現まで幅広く学習を行っています。自由な感性と豊かな人間性を育むことを目標とするコースです

染織

・・・糸や布を中心に、繊維を使って生活を豊かにする(使える)ものを作る分野です。単にデザインの方法を学ぶだけではなく、繊維や染料という材料を知っているデザイナーを育むコースです。

デザイン

・・・デザインの基礎となる造形力、描写力や色の使い方にはじまって、グラフィックデザインやプロダクトデザインなどの内容を幅広く学習します。様々な表現技術の習得と、創造性・発想力の育成、デザインという概念の基本的な理解を目指すコースです。

ファッションアート

・・・視覚的表現の1つイメージマップ(コラージュ技法)・イラストレーション・テキスタイルデザイン・素材研究・立体表現を学びます。また、布で表現するための染色技術も覚えた上で、裁断製図法・縫製法など、多くの基礎を学びます。素晴らしいオリジナルな服を作り上げるため、様々な角度からファッションについて学ぶコースです

8つのコースから専攻を決める!まるで大学みたいですねえ!

自分の学びたいコースは見つかりましたか?

制服

銅駝美工は私服校です!制服はありません!

派手すぎる服やピンヒールが禁止されている程度で基本的には自由です

実習などがあり汚れやすいので、それを前提に服装を選ぶのがいいと思います。

とっても特殊な入試制度について理解しよう!

京都府内の公立高校で特に珍しい入試のスタイルをとっている銅駝美工

しっかりと入学試験に対する理解を深め、戦略を練りまくってください!

銅駝美術工芸高校 選抜試験の概要

銅駝美工の入試は公立高校前期選抜として実施されます。

この試験で定員の100%を決定しますので、1回限りの試験で入学者が決まります。配点や方式も独自のものになってますので気を付けてください!

令和2年度京都市立銅駝美術工芸高等学校入学者選抜の概要

入試の特徴

他の公立とはどこがどう違うのか説明します!

求める生徒像

①美術工芸に対する興味・関心と資質・能力を有するとともに、本校での学習を通して、その資質・能力を積極的に伸ばそうとする生徒 ②将来、美術工芸を中心とする様々な分野に進出し、活躍することを望む生徒

京都府教育委員会HPより引用

選抜方法について

選抜方法はC方式のみとなっています。

学力検査(学力テスト)は英語・国語・数学の3科目で150。すべて独自検査です!過去問等は学校説明会などで入手できます

報告書(学校の成績)は135

面接15点

実技300点!!

全部で600点満点の試験となります。

見て分かるように、実技試験に重きを置いています

逆に面接は配点低めですね。「うち人見知りやねーん」って人も安心!

これらの試験は1日目に行われます

実技試験について

①鉛筆デッサン150点、120分

・・・ 出題されたモチーフを鉛筆によってデッサンする。四つ切り画用紙を使用。

<観点>

基本的なものの形が描けるか。ものの大きさの違いが表現できているか。光と陰との関係が見えているか。

<過去の出題>

紙箱、かぶら、発泡スチロール製ブロック、紫タマネギ、プラスチック容器(円筒形)、フランスパン1/2、トマト、紙箱(白)、ゴムハンマー、洗車スポンジ、塩ビ継ぎ手パイプ、プラスチックボトル(黒)など

②イメージ表現150点、120分

・・・モチーフ1点と言葉を出題。2つを組み合わせ、豊かに発想して色彩を用いて画面に表現する。八つ切り画用紙を使用。アクリルガッシュを使用して筆で描くものとします。チューブの色数は特に指定しません。なお、金銀などのメタルカラーやラメ入絵の具は使わないこと。 その他の画材(色鉛筆など)は使えません。(鉛筆での下描きはできます)

<観点>

モチーフと言葉の組み合わせから豊かに発想しているか。発想したイメージを美しい色彩で表現しているか。イメージに基づいて画面構成を工夫しているか。

<過去の出題>

モチーフ:ガラスの小瓶 言葉「旅」

モチーフ:ファスナー 言葉「不思議」

モチーフ:砂時計   言葉「夢」

モチーフ:巻き尺   言葉「物語」

モチーフ:虫眼鏡   言葉「発見」

①、②どちらも2時間のテストです。実技試験は2日目に行われます

実技検査に必要な用具として鉛筆、消しゴム、アクリルガッシュ、筆、筆洗、パレット、雑巾、画板などを持参する必要があります!

倍率

昨年度倍率は1.51(139人が受験して92人が合格)でした。

一昨年度(1.42倍)より上がっていますね。

試験で芸術に関しての知識が問われることもないので、絵が得意な人は気兼ねなくチャレンジしましょう!

学校説明会等の日程

銅駝美工は特殊な入試制度なので、受験生向けのオープンスクールや学校説明会、実技の練習会などを開催しています。

日程をまとめましたので参考にしてください

2020年度日程

8月3・4日 わくわくART

9月12日 入試説明会

9月26日 実技講習会

11月28日  実技講習会

また詳しい日程が分かり次第アップします!

まとめ

ここまで京都市立銅駝美術工芸高等学校の紹介をしてきました。

3つにまとめると

銅駝美術3つのポイント

自分の得意に専念できる環境

実技試験の対策が必要

平成35年に移設

堀川音楽高校とともに京都市の公立専門学校である銅駝美工

大学ばりのクオリティに驚いています

自分の特技が明確にある人はぜひ受験してみてください!

参考 TOP銅駝美工高校HP

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